interview 01

日本を代表するITメーカーから
福祉の世界へ魅力的な転身

板垣 良永さん


ITメーカーから福祉職へ

「介護の仕事を経験するのは初めてで、まだまだ分からないことばかりです。
しかし体を動かすこの仕事は自分に合っていると思いますし、毎日楽しく過ごしています。」
そう笑顔で語るのは板垣良永さん。板垣さんは国内の大手ITメーカー(日本電気株式会社・NEC)に約30年間お勤めでした。
定年退職を前に、社内のセカンドキャリアを支援するグループ会社「NECライフキャリア株式会社」に今後の相談をされました。
彼の希望としては、デスクワークがほとんどのサラリーマン時代だったので、全く違った職種にチャレンジしたい想いが強かったとお話ししてくれました。例えば、車の運転が好きなのでドライバー、アルバイトで経験されたことがある飲食店など、体を使って働く職種を希望されていたそうです。
再就職先を決める過程の中で、配送の仕事やトラックの運転手なども視野には入っていたのですが、母親の介護がキッカケで福祉の仕事を知ることになりました。

人材バンクと地域の繋がりが
人の縁(えにし)を結ぶ

セカンドキャリアでの再就職先の選定は、これまで培ってきた経験やスキルなどを活かせる仕事を探すことが多くを占める中で、板垣さんの行動はレアケースだと思います。しかしNECが川崎市社協と地域共生社会を実現するためのパートナーシップ協定を結んでいた縁で、NECグループの方のセカンドキャリアに福祉職を紹介する機会を得ることができました。
そこで、板垣さんが川崎市社協の川崎市福祉人材バンクに連絡を取り、条件に合ったいくつかの施設を紹介されました。
元来、人との関わりが好きだった板垣さん、高齢者のサポートや送迎の業務がある高齢者施設のデイサービス部門で働くことに、ご自身の未来に可能性を感じたようです。
現在はご自身の母親が通所していたご縁もあり、川崎区にある馬島福祉会の恒春園でご勤務されています。
これまで多忙な生活を送ってきた板垣さんが一番に考えたこと。それはご自身の時間、ご家族との時間を大切にしたいということでした。ご自宅から職場までの距離が近いこと、無理なく働ける職種であること、ご自身の健康のため日々体を動かせること、がご自身の時間やご家族との時間を有意義に過ごせるための必要条件でした。
健康診断の数値も現役時代よりも良好だ、と笑ってお話ししてくれました。
施設長の竹本さんも、ご利用者さんの子ども世代である板垣さんが入所してくれたことで、ご利用者さんも安心してコミュニケーションを取っている、と語ってくれました。また、他業種からの転身については、先入観を持たない方が働いて発見することが大切、知らないことが大事で、福祉のプロが見落としがちなことにも目を向けてくれると感じてらっしゃいます。

福祉職だからこそ得られるもの

実際、この世代の方々は親の介護が現実的な問題になっていると思います。福祉全般の知識や、公的サービスの利用に関する制度などを働きながら得られることは福祉職のメリットではないでしょうか。
インタビューの最後に板垣さんが、「この仕事は絶対に必要な仕事で、第二の人生に相応しい職種だと思います。条件や待遇もそこまで悪くないですし、実際やってみてダメなら次に行けばいいじゃないですか。是非、再就職の候補に入れていただき、検討してもらいたいですね」と語ってくださいました。
これまでのキャリアや経験をベースにセカンドキャリアを考えることももちろん大切ですが、新たな分野にチャレンジすることで違った自分が見えてくるかもしれません。
これから何がしたいのか、何ができるのかを考える時に、今一度、福祉職という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。